モーメントとキュムラントの関係
モーメントとキュムラントはそれぞれ一方だけで表すことができる. その導出を行った.
モーメント母関数からモーメントの導出
モーメントはモーメント母関数から導出できる. 確率変数の次のモーメントを, モーメント母関数をとおくと
よって
キュムラント母関数とキュムラント
キュムラント母関数は以下で定義される.
よって
と書くことができ,
とすれば
と書くことができる. を次のキュムラントという.
モーメントとキュムラントの関係式
モーメント母関数とキュムラント母関数の関係は
であるので, 両辺をで偏微分すると
両辺での係数を比較すれば以下の関係が得られる.
特にのとき
モーメントとキュムラントの関係式(具体的に)
まず, モーメント母関数とキュムラント母関数の関係から
ここから, の係数を比較してを得るが, 式からはのみで構成されていることが分かる.
を求める
のとき
ただし, は以外のの関数を意味する.
さらに, であり, はのみで構成されていることからである.
以上より
を求める
これより,
また, モーメントとキュムラントの関係式より
これらより
であり, はのみで構成されていることから. 以上より
を求める
これより,
また, モーメントとキュムラントの関係式より
これらより
であり, はのみで構成されていることから. 以上より
以降も同様にすれば導出できる.
参考
Kendall, Maurice, and Alan Stuart. "The advanced theory of statistics. Vol. 1: Distribution theory." London: Griffin, 1977, 4th ed. (1977).